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2022.11.20 / 最終更新日:2023.05.08

不動産会社の査定方法|不動産売却の基礎知識⑦

  • #Mr.T
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不動産の売却を考えたとき、多くの人は「自分の不動産は一体いくらで売れるのか」を気にされるかと思います。

ただ、不動産の価格は「一物四価」と言われ、一般の方々からすると非常に分かりづらいものです。不動産会社は不動産の価格をどのように査定しているのでしょうか?

今回は、ちょっと専門的に踏み込んだ代表的な査定方法のお話です。

■不動産会社の代表的な査定方法


①原価法

同様の不動産を、再び土地の取得から建築まで行ったと仮定し、かかる費用を算出します(再調達原価といいます)。その費用から、現在の築年数に応じた価値の低下分を差し引いて(減価修正)、現在の価格を割り出す方法を「原価法」といいます。計算式で説明ができるため納得しやすい半面、目に見えない価値を反映させづらい欠点があります。その為、不動産会社は補足程度に利用することが多いです。


②収益還元法

不動産を賃貸に出した場合に発生する賃料を基に査定する方法を「収益還元法」といいます。収益還元法は何年でその不動産の取得価格が全額回収できるかの目安となる「利回り」が基準となります。5%の利回りであれば取得価格の回収まで20年、10%の利回りであれば回収まで10年かかる計算です。(利回りが低いほど不動産の価格は高くなります)エリアや物件種別により利回りの相場が形成されており、都心だと3%〜5%程度ですが、地方だと20%を超える場合も。主に、投資用のワンルームマンション、ビル、アパートの査定で用いられます。

 

③取引事例比較法

似たような不動産が、以前いくらで取引されたかを基準に査定をする方法です。お住まい用の不動産の場合、ほとんどのケースでこの「取引事例比較法」を利用しています。あくまで過去の取引事例を基にするため、その事例が正しい金額なのか?景気動向はどうなのか?などを見ながら価格調整を行います。(ここが各不動産会社の腕の見せ所です)

■査定価格=実際に売れる価格ではない

気を付けていただきたいのは、「査定価格」と「実際に売れる価格」は違うということ。

不動産には全く同じものは存在しません。マンションであれば、同じ間取り、同じ広さということもありますが、それでも階数が変わることで眺望も若干変わりますし、隣の住人も変わります。戸建に至っては、ほぼ同じものは存在しません。

更に、その時に売りに出されている競合物件も変わります。過去の事例と条件、価格ともに全く同じだとしても、競合物件の金額が高いものばかりであれば相対的に安くなりますし、競合物件が安いものばかりであれば相対的に高くなります。また、買主の経済状況や購入に至る背景にも違いがあります。

その為、過去の事例だけで正確に「売れる価格」を算出することは不可能です。不動産会社が買い取るということであれば、査定価格=売却価格となりますが、通常の不動産取引は一般の個人の方が購入するので1案件1案件別物の生ものとなってしまうのです。

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■まとめ

「査定価格は実際に売れる価格ではない」というものの、多くの取引はある程度査定価格に近いところで行われます。ですが、査定価格が絶対ではないということを念頭においておけば、査定価格で中々売れなくてもストレスが多少なりとも軽減することができます。より良い不動産取引につなげるため本記事を参考にしていただければ幸いです。

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