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2023.02.20 / 最終更新日:2023.02.25

相続登記しないとどうなる?【2024年4月1日から相続登記が義務化されます】

相続登記しないとどうなる?【2024年4月1日から義務化されます】

不動産を相続したとき、「相続登記」を行いますよね。

この相続登記ですが、しないとどうなるかご存じですか?

登記費用が浮くだけと考えている人もいるかもしれませんが、実は相続登記をしないことで発生するリスクは意外と多いです。

そこで今回は相続登記をしないとどうなるのか、罰則はあるのかを解説します。

相続登記をしないとどうなってしまうのか気になっている方は必見です。

相続登記とは?

そもそも皆さんは「相続登記」と言われて、どんな作業を行うかご存知ですか?

過去に不動産の売買をしたことがある人であれば、なんとなくイメージが湧くかもしれませんが、そうでない人にとっては馴染みのない言葉かと思います。

簡単に言うと、相続登記とは「不動産の名義を故人から、相続した人に変更する」ことです。

不動産の相続後1年以内に行うことが推奨されていますが、中には登記費用や手間を節約するために行わない人もいるそうです。

では、相続登記をしなかった場合、どんな不都合なことが起こるのでしょうか。

相続登記をしないとどうなる?

1.権利関係が複雑になる

まず初めに挙げられるリスクとしては、権利関係が複雑になっていくことです。

相続登記をしないと、相続人全員が法定相続分に従って不動産を共有して所有している状態になります。

ここで注目すべきことは、相続人の中で亡くなった人がいれば、その権利が配偶者や子供に移行することです。

例えば上の図の家系では、初めに相続人となっていた女性2人が亡くなり、その権利はそれぞれの子供2人に移行しています。

相続の権利は消滅することがないので、このままいくと権利保有者がどんどん増えていくことは確実です。

権利保有者が増えるにつれて、誰が権利を持っているのか把握することが難しくなるので早めに登記を済ませましょう。

2.不動産の売却ができない

相続登記をしないままにしておくと、いざ売却しようと思ったときに取引ができません

なぜなら、売却しようとしている不動産が自分の所有物だと証明できるものがないからです。

不動産は大きな額が動く買い物なので、誰だって所有者がハッキリしない不動産を買いたいとは思いません。

売却前に滞りなく相続登記ができれば問題ないですが、売却を検討した時点で権利関係が複雑になっている可能性もあります。

そうなると、不動産の販売計画が崩れ、思うように売却もできなくなってしまうでしょう。

そのため不動産を相続したら売却する気がなくても、とりあえず登記だけ済ませておくことがおすすめです。

3.子孫につけが回る

先ほどの続きですが、権利関係が複雑になった状態で相続人の誰かが「売却のために相続登記をしたい!」と思い立ったとき、実行するには大変な手間がかかることが予想されます。

例えば法定相続分通りに相続する場合、相続登記を行うには上図の書類が必要です。

ご覧になって分かる通り、相続人全員の戸籍謄本被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本は時間の経過とともに入手困難になります。

仮に親族同士の密接な繋がりがあればまだ希望はありますが、実際は誰がどこに住んでいるのかさえ分からないことの方が多いでしょう。

相続登記をしない世代が増えれば増えるほど、子孫に迷惑がかかることは明白です。

そのため、不動産を相続したら面倒だからと後回しにせずに手続きを行いましょう。

4.固定資産税が高額になる

もし相続した不動産が「特定空き家」に指定され、市町村からの勧告を受けた場合、固定資産税が6倍都市計画税が3倍になります。

なぜ税負担が増えるのかというと、固定資産税の住宅用地特例措置が受けられなくなるからです。

特定空き家に指定されるとまずは自治体から連絡が入り、行政から適正管理を求める助言が行われます。

その後、行政指導・勧告・命令を受ける流れですが、相続した空き家とはいえいきなり管理を任されるのは大変です。

将来的に起こりうるリスクを考えると、面倒なことにならないうちに登記を済ませて不動産を売却してしまうのがいいかと思います。

【24年4月1日~】相続登記をしないと罰金が発生!

ここまで、相続登記をしないことで発生するリスクについて解説してきました。

今までは登記をしなくても特にペナルティはありませんでしたが、2024年(令和6年)4月から義務化されることになりました。

法務局によるとその理由は、「登記簿を見ても土地の所有者が誰か分からず、復旧・復興事業等の取引が進められないから」とされています。

義務化が開始されてからは、相続を知った日から3年以内に登記を済ませなかった人に対して10万円の罰金が課される可能性があるので注意が必要です。

過去の相続も対象になる?

ここで気になるのは、過去に相続した不動産も対象になるかどうかですよね。

結論から言うと、過去の相続不動産も対象です。

ただし、相続から既に3年以上経過していたら直ちに罰金を支払うのではなく、「2024年4月1日を一律基準として3年後の2027年4月1日までに行うこと」と定められています。

期間は3年と一見長そうに思えますが、行動を起こさないとあっという間に時が流れてしまうので、早めに登記を済ませてしまいましょう。

罰金の対象とならないケース

ここまで、2024年4月から相続登記の義務化が始まり、罰則もあるとお伝えしましたが、必ずしも全員が期限内に登記できるとは限りませんよね。

そんなケースに備えて、法務局によって罰金が免除される基準も定められています。

もし自分が上の図で書かれた①~③のどれかに当てはまる場合には、相続から3年以内に登記ができなくても問題ないので安心してください。

ただし、①・②の場合は「相続人申告登記」と呼ばれる相続登記とは別の登記を行う必要があるので忘れずに行いましょう。

相続した不動産をそのままにしていませんか?

今回は不動産の相続登記をしないとどうなるかと、義務化される経緯について紹介しました。

従来は相続登記をしなくても罰則はありませんでしたが、2024年4月から義務になります。

相続登記をしないことで発生しうるリスクも数多く存在するので、放置せずに行いましょう。

相続登記が済んだ後に不動産を売却したいと感じたら、一度不動産会社に問い合わせてみるのがおすすめです。

売却の流れや査定価格を完全無料で知ることができるので、お気軽にご相談ください。

 

*具体的な税制に関する手続き方法については、税理士法上、ご案内いたしかねますので、お近くの税務署・税理士にお問合せください。

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